Webサイトで集客するための情報設計(習い事教室の事例)

下記の記事では「戦略」についてお話ししました。今回は引き続きWebサイト制作における「情報設計」について解説します。

小さな会社がWeb集客で成果を上げるには戦略から設計しよう

Webサイトの目的を達成するためには戦略に次いで情報設計も重要です。というかWebサイトが成功するかどうかは戦略と情報設計にかかっているといってもいいくらいでしょう。

習い事教室はじめB2Cを営んでいる方は集客する際、チラシをつくることもあるかと思いますが、効果的なチラシを作るのとWebサイトで集客する場合も考えるべきポイントはほぼ同じなので、チラシ作りにおいてもタメになる内容になっているかと思います。
ただ、チラシはお客様に配布しやすいのがメリットですが、あくまでも紙なので刷ったら変更できませんし、受け取った方の反応がわからないので改善しずらいデメリットがありました。

一方でWebサイトは掲載する内容は全てサーバーで管理しているので、いつでもどこでもユーザーの動向を分析しながら最適な形に整えていけるのが最大のメリット。
それでも最適な状態へ導くためには一定レベルでWebサイトを作っておく必要がありますので、本記事でキチンとした情報設計の本質をおさえて頂ければと思います。

顧客化までの流れ

Webサイトを持つだけではなかなか集客効果は見込めません。アクセスしてくるユーザーを顧客化するまでには以下の4ステップが必要になります。

  1. 教室に「興味」を持ってもらう
  2. 指導によって得られる結果を具体的に示し「期待」してもらう
  3. お客様の声や先生の人柄を伝えて「信頼」してもらう
  4. 問い合わせや資料請求といった「行動」してもらう

設計の大枠としてはこの4ステップをまずおさえましょう。それぞれの詳しい内容は後述しますが、以下の2点についても補足でご注意ください。

1.デザインにユニークさは必要ない

Webサイトの目的が集客ならデザインにこだわる必要はありません。
なぜなら、Webサイトの見た目で商品やサービスを選ぶことはないからです。
デザインが古かったり、あまりにも見劣りするものは考えものですが、清潔感や教室のコンセプトに沿っている事は意識するとしても、地域に根ざしたビジネスである習い事教室ならデザインにそこまで予算をかけず、コンテンツの中身で勝負するべきです。

2.目的は1つに絞る

Webサイトの数だけ目的があるという前提を忘れないようにしましょう。
例えば集客したいし、採用もしたい、となると目的達成までのステップがまったく異なるため、作ったところでどっちつかずの中途半端なWebサイトが出来上がります。
二兎追う者は一兎も得ず状態になり、結果どちらの目的も達成できなくなるので、Webサイトの目的はやはり1つに絞るようにしましょう。

集客型のWebサイトに載せるコンテンツ

ここからは顧客化するまでにつくるべきコンテンツを考えていきます。

1.強みや売りで「興味」をひきつけるコンテンツ

習い事教室それぞれの独自性や専門性、楽しさといった強みや売りを伝えるコンテンツを作成します。
顧客の心理に訴えるコピーをファーストビュー(ページスクロールせずに見れるトップページの最上部)に目立つように設置し、興味をひきつけ本文に誘導するのが第一ステップです。

2.お客様にもたらす結果をしめして「期待」してもらうコンテンツ

教室のレッスンや指導の具体的な内容と、得られる結果をペアで作成します。
ここで注意したいのがレッスンの内容だけにとどまらず、お客様の目線でどういったベネフィット(便益)をもたらすかを示すことが重要です。

教室にこられるお客様を主語にして、得られる価値を表現するようにしましょう。
そうすることによってお客様が自分ごととして捉えることにつながり期待してもらえるのです。

3.透明性を出して「信頼」されるコンテンツ

どんな商売にせよお客様になっていただくには信頼が欠かせません。
検索エンジンGoogleの評価指標「E-A-T」のひとつ、T=Trustworthiness(信頼性)に配慮したコンテンツを用意することはSEO対策としても有効なので、ぜひ信頼されるコンテンツを作りましょう。

Webサイトは情報開示が少ないとコソコソした怪しい印象を与えてしまいますので、信頼していただくためには透明性を出していくことを意識します。
具体的には「運営者情報」や「会社概要」といった運営元の詳細として代表者氏名や住所、電話番号などを掲載するとよいでしょう。SNSのリンクも掲載しておけば人となりも伝わって良いですね(^^)

またコンテンツへの質問だったり、なにかあった際の窓口として「問い合わせフォーム」を用意しましょう。
さらにフォームから個人情報を取得するなら「プライバシーポリシー」といった個人情報の利用目的などを明記したページも欠かせません。

既にお客様がいる場合は「お客様の声」を掲載できれば第三者による評価となり、より信頼性が高まることでしょう。
さらに透明性を出していくのであれば、代表者氏名とお客様の声にはテキスト情報に加えてそれぞれ顔写真を掲載するとなお良いですね。

4.背中を後押しして「行動」を促すコンテンツ

期待と信頼が高まったら問い合わせや資料請求といった目的達成の行動につなげるためには「毎月先着○名の体験レッスン」「今月の入会プレゼントは〇〇」といった具合にいま行動したくなるコンテンツを掲載すると後押しになります。

また、問い合わせや資料請求の場合、個人情報を送ることでダイレクトメールが送られてきたり、営業電話が掛かってくるなど不利益なポイントを想像できると行動しずらいため「いただいた個人情報をもとにした売り込みは行っておりません」など掲載してもよいかと思います。

トップページの構成要素

1.お客様が見たい情報を少しずつ掲載

習い事教室をはじめB2CのWebサイトはスマートフォンでアクセスする事が多いでしょう。
となるとスマートフォンの場合、他のページに遷移するリンクはハンバーガーメニューに隠れていることが多く、ほかのページに遷移するのにPCだと1クリックで遷移できますが、スマートフォンだと2タップ(ハンバーガーメニューを開く、リンクをタップ)必要になります。

この2タップは思いのほかハードルが高いため、だったらユーザーにとって欲しい行動にたどりつくためのステップとなるコンテンツはトップページに少しずつ掲載するのが良いでしょう。
スマートフォン全盛の現代において、ユーザーに見せたいコンテンツはトップページに少しずつ掲載し、詳しい情報は個別ページに書くのが吉です。

2.ファーストビューで期待できそうな気にさせる

検索結果から訪問してくるユーザーはひとつひとつのWebサイトをじっくり見るわけではなく、ファーストビュー(トップページの最上位部分)を見てその後のステップに進むか判断します。
人は第一印象が肝心といわれておりますが、Webサイトも同様でファーストビューが第一印象をつくります。

どんなに素晴らしい商品やサービスを提供していようと、ファーストビューでの印象付けに失敗すると、その後にステップに進むことなく離脱してしまいます。
これは大変もったいない事なので、ファーストビューに掲載するコンテンツ(文章やアイキャッチ)作成は特に力を入れるようにしましょう。
文章は「キャッチコピー」をつくることになりますが、Webサイトのターゲットが抱える悩みの解決策をターゲット目線で作成するのがよいでしょう。

具体的には「自分の頭で考える習慣が身につく」「運動神経が伸びる黄金期を逃さない」といった所でしょうか、こういった表現によってユーザーがキャッチコピーを自分ごととして感じ、詳しい情報を見たくなるのです。

また、習い事教室では教室の雰囲気をビジュアルで伝えることも大切。
自身が通うのではなく子どもの教室を探している場合はなおさらですが、安心して通えそうかはテキストより画像を使ったほうが伝わりやすいですよね。

3.お客様が知りたい情報を知りたい順番に配置

ターゲットとなるお客さまがどういう流れで情報を見ていくかを予測してトップページに掲載するコンテンツの順序を決めます。

詳しい情報としてページを分けるとしたら、ヘッダーにメニューを設置することになるかとおもいますが、PCサイトのメニューなら左から、スマートフォンサイトのハンバーガーメニューなら上からお客さまが見ていく順にリンクを設置します。
習い事教室なら一般的には以下の流れでみていくのではないでしょうか。

  1. 教室の雰囲気
  2. 教室の独自性や専門性
  3. レッスンや学習内容の詳しい内容&料金
  4. お客様の声
  5. 講師プロフィールや運営者情報
  6. 立地、アクセス
  7. 問い合わせ

さらにこれら想定どおりに遷移するかはGoogleアナリティクスなどの分析ツールを導入することでユーザー動向を把握することができますので、定期的に分析を行い想定通りに遷移していない場合は調整をはかり精度を高めていきます。

4.目的(コンバージョン)のボタンはどのページからも一番目立つように設置

問い合わせや資料請求といったWebサイトのゴール=目的を達成するためのボタンはヘッダーに設置して、どのページからも遷移できてかつ一番目立つようにします。
また各ページコンテンツの最後にも設置して、コンテンツを読み終えたら行動しやすいようにします。ページのコンテンツによってはコピーやデザインを調整してもよいでしょう。

まとめ

集客を目的としたWebサイトを作り上げるには、これだけの事を考えていく必要があり、困難に感じた方が多いかもしれません。
しかし、SNSやブログで発信するにせよ、事業活動における広報の主体がWebサイトなのは間違いありませんので、しっかりと情報設計の段階で導線と掲載コンテンツを考え抜いていただきたいと思います(^^)