PMFを達成するためのフレームワーク「フィットジャーニー」を解説

ビジネスはお客様が求める価値を提供することによって対価をいただくため、新しい製品・サービスを市場に投入するとしたら、価値と感じてもらえるかをあらかじめ検証することが欠かせません。

そこで本記事では製品・サービスの成否を左右するとも言われている「PMF(Product Market Fit)」と、PMFを達成するまでの道しるべ「フィットジャーニー」と呼ばれるフレームワークについて解説します。

新たな事業で限られた予算を有効活用するために本記事が参考になれば幸いです。

1. PMFとは何か

「PMF」(Product-Market Fit)とは、製品が市場に適合していて、それが高い需要があることを指すコンセプトのことです。

スタートアップの世界でよく用いられているこの言葉は、製品が特定の市場に対して充分な価値を提供しており、市場がその製品を求めている状態を指しています。

また、これには製品の特性や機能、価格設定などが適切であることも含まれます。

1.1. PMFの定義

PMFの定義について深く語る場合、それは「製品が特定の市場に対して唯一無二の価値を提供でき、市場から強い需要がある状態」であると言えるでしょう。

これには特定の市場セグメントに対する理解と、そのニーズに適う製品開発が必要となります。

なぜなら、製品が市場のニーズを満たして初めて、消費者はその製品の価値を認識し、求めていくからです。

PMFの達成は、スタートアップや新規事業にとって重要なマイルストーンであり、製品開発の目指すべき方向とも言えます。

1.2. PMFを達成するメリット

PMFを達成すると、さまざまなメリットが得られます。

主なものとしては、製品の需要が増大するため、売上成長が見込めることから、ビジネス全体の安定性が高まります。

また、製品の競争優位性が明確となり、競争者との差別化がはっきりするため、競争力が向上します。

さらに、製品が市場に認知されることでブランド力が強化され、顧客獲得のためのマーケティングコストを削減することができます。

もちろん、これらのメリットが大きくなるほど、ビジネスの成功確率も上がります。

1.3. PMF未達成時のリスク

一方、PMFが達成されない場合、多くのリスクに直面します。

主なリスクとしては、まず製品に対する需要が見込めないため、売上の上昇が見えにくいことが挙げられます。

それに伴い、投資や資金調達が難しくなる可能性もあります。

また、競争優位性が定まらないと、競合との差別化が難しくなります。

これは、市場シェアの獲得が難しくなり、最終的にはビジネスの存続が危ぶまれる可能性もあります。

したがって、PMF達成は製品開発の初期段階で重視すべき課題と言えます。

2. フィットジャーニーの概念

フィットジャーニーとは何でしょうか。まず基本的な意味から説明します。

フィットジャーニーは、プロダクト・マーケット・フィット(PMF)を達成するためのフレームワークのことを指す言葉です。

PMFとは、ある製品が特定の市場でほしいとされ、その製品の供給が需要を満たす状態を指す用語です。

これを達成することは、ビジネス展開においてきわめて重要なことです。なぜなら、PMFに到達しない場合、製品は市場に受け入れられず、ビジネスは成功しません。

そのため、効率的にPMFを達成し、維持していく仕組みが必要となります。

そこで生まれたのがフィットジャーニーなのです。フィットジャーニーは一連のステップを踏むことで、PMFを追求するフレームワークを提供します。

2.1. フィットジャーニーの定義

フィットジャーニーとは具体的にどのようなものでしょうか。

フィットジャーニーは、PMFを達成するために、一定の段階を経て進化していくビジネスプロセスを指す言葉です。

このプロセスは、「課題の特定」、「解決策の検討と提示」、「解決策の質を上げる」の3つのステップから成り立ちます。

各ステップは特定の目標を達成するために存在し、それぞれに必要な行動や戦略が存在します。

そして、すべてのステップが成功すれば、製品はPMFを達成し、持続的なビジネス展開が可能となるでしょう。

フィットジャーニーはこの一連の流れを管理し、最適化するためのフレームワークと言えるでしょう。

2.2. フィットジャーニーの目的

フィットジャーニーの目的は何でしょうか。

言うまでもなく、その究極の目的はPMFの達成です。しかし、その過程においても多くの重要な目標があります。

具体的には、市場に適した製品やサービスの提供、効果的なマーケティング戦略の構築、ビジネスの持続的な成長、そしてそれらを通じてのPMFの達成と維持です。

フィットジャーニーはこれらの目標をクリアしていくための指針となり、それぞれのステップで何を行うべきかを明示します。

つまり、フィットジャーニーの目的は、製品が市場にフィットするための道のりを示し、ビジネスが成長を継続できるようにすることなのです。

2.3. フィットジャーニーの歴史

フィットジャーニーの概念が提唱されたのは比較的最近のことです。

しかし、その背後には長いビジネスの歴史と、多くの成功と失敗から得られた知識があります。

PMFという概念自体も30年以上前に起源を持つことから、それを追求・維持するためのフレームワークとしてフィットジャーニーが考え出されました。

このフレームワークは、ビジネスの成長と持続性に関する理解を深めるのに役立つと同時に、製品開発やマーケティング戦略、ビジネスモデル設計など、事業展開の様々な側面に影響を与えてきました。

つまり、フィットジャーニーはビジネスにおいてPMFを追求するための近代的な手法といえるでしょう。

3. フィットジャーニーのフレームワーク

フィットジャーニーとは、製品を市場に適合させるための基盤となる戦略的なフレームワークのことを指します。

プロダクト・マーケット・フィット(PMF)を達成する際に能率的に進める方法として開発されており、個々の製品開発の進行状況を可視化し、市場への適合性を評価しながら対策を立てるのに用いられるのが特長です。

このフレームワークの採用は、製品の市場投入時期や投資戦略の決定を補助するだけでなく、市場ニーズの変動や製品改善の必要性を早期に捉えるための指針となります。

3.1. フレームワークの概観

フィットジャーニーのフレームワークは、プロダクト開発の各ステージが連続的にリンクしており、各ステージでの進行状況や市場適合性が可視化できるよう設計されています。

このフレームワークには主に4つの領域が存在し、製品アイデアの出現から市場適応までを網羅しています。

各市場や製品に合わせて微調整しながら活用することで、市場ニーズの変化や新たな競合製品の出現に即座に対応することが可能となり、PMFの維持や向上に役立つのです。

3.2. 各ステージの役割

フィットジャーニーのフレームワークにおける各ステージは、製品アイデアの創出、プロトタイプの製造、市場テスト、そして市場投入となっており、混沌から秩序へと移行する過程を緻密に描き出しています。

製品アイデアの創出ステージでは、市場ニーズから新しいアイデアを生み出します。

次にプロトタイプ製造ステージでは、そのアイデアを形にし、市場テストへと進みます。

市場投入ステージでは、市場反応を基に適応策を講じることで、製品を市場に適応させていきます。

3.3. フレームワークの活用法

フィットジャーニーのフレームワークを活用するためには、まず各ステージの進行状況を定期的に評価し、問題点や課題を明確に把握することが重要です。

また、市場ニーズの変動や競合製品の動向に対して監視を怠らず、タイムリーに反応することが求められます。

このフレームワークを通じて市場と製品の間のギャップを縮小し、製品の市場適応を促進することで、PMFの達成に繋げていくことが期待されています。

4. バリュープロポジションとPMF

プロダクトマーケットフィット(PMF)達成のためには、バリュープロポジションが重要な要素となることは広く認識されています。

バリュープロポジションとは、製品やサービスが顧客に提供する価値のことを指し、これが明確でなければ、顧客はその製品やサービスがなぜ必要なのかを理解することができません。

これはすなわち、見込み顧客の心をつかむためには製品やサービスの特徴だけではなく、それがなぜ他の選択肢と比べて優れているのか、なぜそれを選ぶべきなのかという要点を押さえることが必要であることを表しています。

4.1. バリュープロポジションの重要性

バリュープロポジションが明確であることは、顧客にとって説明責任を果たすだけでなく、自社の製品やサービスをマーケット全体の中でどのように配置するかという観点からも重要です。

製品やサービスの価値が顧客に明確に伝わるバリュープロポジションは、顧客が選択肢の中から自社の製品やサービスを選ぶための強力な動機となります。

また、企業が自身のバリュープロポジションを明確に把握していれば、適切なマーケティングストラテジーや、製品開発等の戦略を考える際の基盤となります。

つまり、バリュープロポジションを明確にすることにより、企業は自社の製品やサービスがどのような価値を持つのか、どのような顧客に対して有益なのかということを突き詰めることができるのです。

4.2. バリュープロポジションを明確にする方法

バリュープロポジションを明確にするためには、まず自社の製品やサービスが誰のためにあり、どのような問題を解決し、どのような価値を提供するのかを明確に理解することが求められます。

このプロセスでは、製品やサービス自体の機能だけでなく、それが顧客にとってどのような意味を持つのか、つまりはその製品やサービスによって顧客の生活がどのように改善されるのかを見つめ直すことが重要となります。

さらに、他社製品と比較した際の競争優位性が具体的に何であるかを明らかにし、それをバリュープロポジションとして明示することが求められます。

4.3. バリュープロポジションとPMFの関係性

バリュープロポジションとPMFの関係性を見てみると、これら二つは深い関連があることがわかります。

前述の通り、バリュープロポジションは製品やサービスが提供する価値を示すものですが、この価値がマーケットにマッチして初めてPMFは達成されるのです。

つまり、顧客が求める価値に対して製品がしっかりと応えていて、その製品を選ぶだけの十分な理由が顧客に伝わっているという状態がPMF達成の状態であり、そのためには、強力なバリュープロポジションが必要なのです。

そして、PMF達成のためのフレームワーク「フィットジャーニー」では、このバリュープロポジションの確立から取り組むことが推奨されています。

5. PMF達成のためのマーケティング戦略

フィットジャーニーの枠組みを成功に導くためには、PMF、つまりProduct-Market Fitの達成が無くてはならない要素となります。

PMFとは、自社の製品が市場に適合し、消費者から高い評価を得られる状態を指します。その達成にあたり、マーケティング戦略は重要な役割を果たします。

マーケティングは、製品を市場に認知させ、顧客の心に響くメッセージを伝えるためのものです。

今後の成長を目指すビジネスにとっては、このマーケティングがPMFの達成を担保する鍵となるのです。

5.1. マーケティング戦略の役割

マーケティング戦略の主な役割は、製品がもたらす価値を消費者に伝え、市場からの需要を喚起することです。

PMF達成のためには、消費者が自社の製品を使う理由を明確に捉え、その理由に基づいたメッセージを効果的に伝える必要があります。

また、マーケティング戦略は静的なものではなく、市場環境や消費者需要の変化に合わせて柔軟に変更することが求められます。

こういった変化に対応しつつ、流動的な市場における自社の位置を正確に把握し、製品の価値を最大化するための施策をプランニングするのがマーケティング戦略の役割であると言えるでしょう。

5.2. マーケティング戦略の具体的な手法

マーケティング戦略の具体的な手法としては、顧客セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング(STP)の原則があります。

これらは製品を誰に、どのように売るかを明確にし、戦略を構築するためのフレームワークとなります。

また、顧客との接点であるタッチポイントの最適化、製品の特徴を強調するためのブランディングなども重要な手法となります。

さらに、データに基づいたマーケティング、つまりデータドリブンマーケティングにより、顧客の行動を理解し、よりパーソナライズされた体験を提供することも可能となります。

これらの手法を活用し、製品と市場との相互理解を深めることが、PMF達成への道のりをスムーズにすると言えるでしょう。

5.3. マーケティングでPMFをサポートする方法

一方、PMFの達成をマーケティングでサポートするためには、市場の潮流を理解し、適切なタイミングで適切なメッセージを発信することが重要です。

具体的には、最初に市場リサーチを行い、製品が使用されるであろうシチュエーションや、求められる機能・メリットを把握します。

その情報を基に、製品の価値を最大化するためのマーケティングメッセージや、顧客が求める価値を付加するための改良点を見つけ出します。

このプロセスを通じて、製品のポジショニングを確立し、その価値を理解しやすい方法で伝えます。こうした一連の流れが、マーケティングによるPMFのサポートとなるのです。

6. 成長とPMFの関連性

事業の成長とプロダクトマーケットフィット(PMF)は一見すると別々のものに見えます。

しかし実際にはこれらは深く関連しています。PMFとは市場と事業/製品との間における適合度のことを示します。

このフィット感こそが事業の基盤となり、その形成が成功の道筋をつけます。成長を目指すすべての事業にとってPMF達成は避けて通れない課題となります。

そしてそれはあくまで永続的なものでなければならず、市場環境の変化に柔軟に対応しつつPMFを保ち続ける力が求められるのです。

そのためにも、PMFの現状を把握し、さらにその維持と向上に努める前進力が必要となります。

6.1. PMFと事業成長の関連性

PMFが事業成長におけるキーファクターであると言われる所以は、製品やサービスが市場と適合しているということは、それが消費者のニーズに正確に一致しているという証となります。

これは顧客満足度の高さを意味し、高い顧客満足度はリピート購入や口コミによる新規顧客獲得を容易にします。

つまり、PMFが高まることでビジネスの持続的成長を促進します。また、高いPMFは事業のブランド力向上にも寄与します。

適切な製品・サービスと対象市場とのマッチングが実現した時、事業はブランドイメージを強固に築き上げることができるのです。

6.2. 成長期にPMFを保つ方法

ビジネスが成長を遂げる中で必要とされるのは、継続的にPMFを維持し改善していく力です。

そのためには、まず市場と顧客のニーズに対する深い理解が必要となります。それは日々のサービス提供や製品開発の過程で得られる顧客反応の収集により達成できます。

それに加え、競合他社の動向を踏まえたPDCAサイクルの実行も忘れてはならないポイントです。

特に、競合会社が自社の目指す市場へ新たに参入してきた場合には、その対抗策として自社のPMFを見直すことが重要となります。

6.3. PMFによる成長を加速させるテクニック

PMFを活用してビジネス成長を加速させるためのテクニックとしては、まず製品やサービスの強みを前面に押し出すことが挙げられます。

市場に求められる独自性を持ったサービスや製品があれば、それを軸に強力な販売戦略を練るべきです。

次に、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上にも努めるべきです。顧客満足度が高まれば、それはリピート購入や口コミを通じて新規顧客獲得へとつながります。

また、データを活用したマーケティングも有効です。

消費者の購買行動データや閲覧履歴を解析し、それに基づくターゲットへのパーソナライズドなプロモーションを行うことで、効果的な顧客獲得を実現できるのです。

7. 需要を見極めるためのアプローチ

フィットジャーニーを用いたPMF(Product/Market Fit)達成のためには、まず市場の需要を正確に把握することが大切です。

製品やサービスが市場に受け入れられるか否かは、その製品やサービスが満たすべき市場のニーズや要求を理解し、それを正確にカバーできているかにかかっています。

そこで本節では、市場の需要を見極めるためのアプローチについて述べていきます。

「需要の特定の方法」と「需要予測とPMF」、「需要に適応してPMFを維持・更新する方法」の3つの観点から、市場の需要に対する理解を深め、それに対応するための手法を探求していきましょう。

7.1. 需要の特定の方法

市場の需要を特定するためには、まず消費者の行動パターンや好み、価値観を理解することが不可欠です。

その理解を持ってはじめて消費者が満足する製品やサービスを提供できるのです。

消費者と直接対話を行う一方で、既存の市場調査データやソーシャルメディアを活用し、消費者の嗜好や行動を分析することも必要です。

それにより、市場のニーズや需要の方向性を把握し、自社の製品やサービスがどのように位置づけられるべきかを探求することができます。

7.2. 需要予測とPMF

市場の需要を特定するだけではなく、未来の需要を予測することもPMF達成の重要なアプローチの一つです。

需要予測により市場の流れを理解し、製品やサービスの開発・改善に役立てることで、早期に市場のニーズに適応し、PMFを達成することが可能になります。

需要予測には様々な手法がありますが、量的アプローチとして統計的手法や機械学習モデルなどがあります。

また、質的アプローチとしては、消費者の行動分析やトレンド分析をはじめとした手法を用いることで、より具体的な需要予測につなげられるでしょう。

7.3. 需要に適応してPMFを維持・更新する方法

PMFを一度達成したとしても、市場のニーズや状況は常に変動します。

つまり、常に市場の動向を見極め、需要を予測し、自社の製品やサービスを適応させることでPMFを維持・更新する必要があるのです。

そのための手法として、例えば、アジャイル開発やリーンスタートアップのような、市場の変化に応じて素早く反応できる開発手法の導入や、消費者とのコミュニケーションを常に確保することで、リアルタイムなフィードバックを得て改善していくといったアプローチが有効です。

これにより、市場の需要に適応し続け、自社の製品やサービスが常に市場フィットである状態を保つことができます。

8. フィットジャーニーでPMFを実現するまでのステップ

「フィットジャーニー」を用いれば、製品・サービスが市場に適合し、需要と供給がマッチするPMFを効率良く達成することが可能になります。

フィットジャーニーは下記の4段階に分けられ、現在どのフェーズにいるのか意識し、順にクリアしていくようにしましょう。

  1. CPF(Customer Problem Fit):顧客が抱えている課題が何か検証するフェーズ
  2. PSF(Problem Solution Fit):解決策がCPFで検証した課題を解決できるか検証するフェーズ
  3. SPF(Solution Product Fit):製品・サービスがPSFで検証した解決策を実現できているか検証するフェーズ
  4. PMF(Product Market Fit):市場で製品・サービスが受け入れられるかを検証するフェーズ

ここからはフィットジャーニーを用いてPMFを実現するために必要なステップについて説明していきます。

8.1. ステップ1 課題の特定

まずCPFフェーズでは顧客が解決したがっている課題を特定します。

具体的で深い課題が見つからなければ、ターゲットを変えてでもじっくり腰を据えて、課題を特定するようにしましょう。

そして、CPFフェーズからPSFフェーズにかけて、自社のバリュープロポジションを下記の順序で確立することが非常に重要です。

  1. 顧客が望んでいる価値
  2. 自社が提供できる価値
  3. 競合が提供できない価値

バリュープロポジションとは、自社が提供できて、競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値のこと指します。

「2. 自社が提供できる価値」や「3. 競合が提供できない価値」といった解決策(Solution)から考えてしまうと、顧客が存在しないということになりかねませんので、CPFフェーズでまずは「1. 顧客が望んでいる価値」から考えていく必要があります。

8.2. ステップ2 解決策の検討と提示

課題が特定できたら、続いて課題の解決策を検討するPSFフェーズに移りましょう。
バリュープロポジションにおける「2. 自社が提供できる価値」と「3. 競合が提供できない価値」を見極めていきます。

「Nice to have」より「Must have」な価値を中心にバリュープロポジションを組み立てることが大切です。
価値を検討するには自分たちの強みと弱みを可視化するためのフレームワーク「SWOT分析」が有効です。

解決策が定まったら、顧客から求められるものかどうかを営業資料・ランディングページ・プロトタイプなどで実際に顧客に提示して検証していきます。

8.3. ステップ3 解決策の質を上げる

提示した解決策でお客様から好反応が得られたら、続いてSPFフェーズに移りましょう。
ここでは確かめられた解決策を素早く製品・サービス化して、顧客からのフィードバックを得ながら解決策の質を上げていくのが重要になります。

ユーザーを長期的に大きく増やしたければ、やはり解決策の質を上げる=良いプロダクトづくりから出発しなければいけません。

良いプロダクトにはユーザー体験の設計が重要であり、ユーザー体験の設計がプロダクトの成功を左右するといっても過言ではありません。
顧客に製品を満足してもらえるようになったら、最後にPMFフェーズに移ります。

PMFフェーズでは商品が市場で受け入れられるのかを検証するため、広く販売活動を行い、商談を獲得できるのか、顧客が満足してくれるのかを確認していきます。
営業時の商談でも売れる、売れないに一喜一憂するより、PMFに近づいているのか、遠ざかっているのかを意識するのが大切です。

まとめ

フィットジャーニーはただ商品を売るだけではなく、顧客が抱える課題を解決する価値を提供するための戦略的なアプローチであることを理解することが重要です。

製品が顧客の課題に直結していること、その解決策が自社にしか提供できない独自の価値であること、そしてその製品が実際に顧客にとって満足のいくものであることを確認するプロセス、これがフィットジャーニーの真髄です。

このフレームワークを活用してビジネスを次のステップへと進めてみてはいかがでしょうか。