ビジネスで「KPI」という略語がよく使われるようになりました。
KPIとは目標を達成するための道しるべであり、Webディレクションにおいてはチーム内での共通認識とすることで力を発揮します。
そこで今回はWebサイトのディレクション業務に役立つ「KPIマネジメント」について解説したいと思います。
最終目標「KGI」と期間の設定
Webサイトに限らず、仕事というのはやるべきことを見極めてから実行しないと、お金がいたずらに減ってしまうため、事前に正しいゴールを設定することが欠かせません。
まずは、KGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)と呼ばれる最終目標を設定します。
何らかのビジネスを行っているのであれば「売上」になります。目標とする売上を現実的な範囲で設定することが重要です。
直接的に売上が発生しないケースでも、売上につながる可能性がある資料請求や問合わせなどを指標と設定してもよいでしょう。
売上以外を指標とした場合は、それらを可能な限り金額に換算するのが大切です。
例えば、Webサイトの最終ゴールから、対面での売上発生までの割合や平均単価を割り出しておくことで、指標の価値を見つけることができます。
また、いつまでに目標を達成したいのか、期間の設定も重要なポイントです。期間が短いほど施策を実行するスピードが上がるため、結果精度も向上することが多いです。
目標達成するため「KPI」に分ける
次に、大きな目標(KGI)を達成するために、それにつながる一つ一つの数値を具体的に切り分けて設定し、モニタリングすることが大切です。
これらはKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)と呼ばれ、一般的には3~5個(最大10個程度)を設定し、目標達成に向けた道しるべになります。
KPIは、極力シンプルで理解しやすいものが望ましく、なぜなら説明に苦労するような複雑なKPIは、チーム全体での理解・協力を得るのが難しくなることが多いためです。
それに、目標が設定されていないと改善の優先順位が下がってしまいます。現状と目標とのギャップを認識し、その埋め方を考えることが改善のモチベーションとなります。
KPIの決め方は下記で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
改善案は難易度と効果で絞る
KGI・KPIが設定できたら、それに基づいて具体的な改善案を考えていきます。
まずはユーザーの利用プロセスを大きく分けてみて、離脱が大きく生じている箇所がないか探し、見つかるなら最優先で対応しましょう。
大きな離脱箇所が特にない場合でも、改善案は必ず出てきます。
それらの中から、実現難易度(技術的な制約や予算など)と改善の効果を考慮し、焦点を絞ります。
すべての改善が大きなインパクトをもたらすわけではありませんので、最小の工数で最大のインパクトが得られる改善から実行することが重要です。
改善効果が高ければ最終目標までの成長速度が上がりますので、チーム規模が小さいほど最大のインパクトが見込める改善に集中することが必要になります。
例えば、ボタンの色を変えるといった軽微な改善は顧客基盤が拡大すると効果を発揮します。顧客が増えれば増えるほど、小さな改善でも大きな成果につながるのです。
まとめ
以上、WebディレクションにオススメしたいKPIマネジメントをご紹介しました。
このプロセスを理解し、具体的に行動に移すことで、ビジネスは確実に成長していくでしょう。
まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。