以下の記事ではグロースハックの重要性を解説しました。本記事では引き続きグロースハックの定義を解説します。
なぜグロースハックが重要か?情報技術で持続的成長を実現する手法
グロースハックが登場する以前は製品開発とマーケティングは別々の部門によって行われてきましたが、情報通信技術をもとに作られるソフトウェアやインターネットサービスでは製造コストが下がり、改善を重ねながら成長することが可能になりました。
そこで製品開発とマーケティングの間に位置し、両方のスキル・要素を兼ね備えたものがグロースハックになります。それではそのスキル・要素は何かを掘り下げていきましょう。
多様なスキルを持ったチーム構成
グロースハックの成功にはチームワークが欠かせません。チーム構成としてはプログラミング、マーケティング、データ解析、UXデザインといった多様なスキルを持つ人材から構成されるのが理想です。
このスキルセットが揃ったチームを考えると、Appleの初期ステージが浮かびます。スティーブ・ジョブズのマーケティングとビジョン、スティーブ・ウォズニアックの技術力、ロナルド・ウェインの行政能力という様々なスキルが結集し、製品開発やビジネス展開に成功しました。
また、プロジェクト管理も重要で、全てのメンバーが同じ目標に向かって進むために欠かせないスキルです。一緒に作業を進める中で、新たなアイデアが生まれ、それが迅速に試され、データが分析され、成功する戦略が次々と実行されます。
スピード重視でアイデアを試す
グロースハックでは、アイデアの迅速な試行と評価が重要であり、新しいアイデアが出た時、それを即座に試すことで効果を早く評価することが求められます。
例えば、Amazonの「Day One」文化が有名です。
そのアプローチは、新しいアイデアが出たらすぐに実行に移し、その結果を速やかに分析してフィードバックするというもの。成功している戦略を繰り返し、うまくいかない戦略を修正することで、長期的な成功を追求します。
これは、アジャイルな開発手法に基づいています。従来の開発手法はアイデアが思いついても、それを市場に展開するまでに、かなりの時間を要しましたが、情報通信技術の発達によって開発期間を劇的に短くすることが可能になりました。
データが客観的な指標
ビジネスの成長を実現するためには、データに基づく客観的な判断が重要になります。Netflixの成功がその好例であり、Netflixでは顧客の視聴データを活用してオリジナルコンテンツを制作します。データ分析を通じて、ユーザーの好みやトレンドを把握し、それに基づいた内容の制作を行っているのです。
その結果、視聴者が求めるコンテンツを提供し、ビジネスの成長を実現しています。少なからずシステムというものは人手をかけて行っていた仕事を効率化するものと考えられていた部分がありましたが、効率化にかぎったことではなく、顧客に近いデータをシステムで取れるようにし、大量にデータを蓄積していくが容易なため、そのデータは事業の方向性を判断できる指標になるのです。
元々は大企業のように資金力がないとデータを蓄積していくことが出来ませんでしたが、コストが下がったおかけで、いまや中小企業でもデータ駆動に取り組みやすくなったのです。
継続的な改善は売上貢献のため
ビジネスの成長を達成するためには、全ての行動が最終的に売上に貢献しているか常日頃、意識するべきです。例えば、Amazonの「A/Bテスト」がその典型になります。
Amazonでは各アクションの影響を定量的に評価し、最も効果的な戦略を特定し、それを繰り返します。新たなアイデアや改善点が常に検討され、その優先順位が高く、最も効果的な改善をもたらす可能性があるものからテストされ、その結果が売上への貢献に反映されるかどうかを検証しています。
これまでは経験者の勘に頼らざるえなかったとしても、客観的なデータを元に合理的な判断を行うことが可能になったのです。